25183 2019-07-28 20:04:32 |
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(意識が浮上する。何が起こったのかイマイチ理解できないまま目を開くと、蜂蜜色/真紅の瞳と視線がかち合う。いや、目の前のこの男はそんな兎みたいなカラーリングはしていないだろう。そもそもどこを見て赤いと思ったんだと一人動揺する。頭が回らない、軽く首を振ってめまいを誤魔化した。助け起こされている姿勢に気づいて、声を出そうとしたものの上手くいかず、ほとんど反射で相手に触れる。その途端にふ、と勝手に口角が上がったのを感じた。湧き上がってくるのは歓喜のようで、でもこれまでに無いような感情。流される、勝手に口が動く)
──── “貴方”……ッ
(自分の声とは思えないほど甘ったるい声が困惑と恐怖を呼び起こす。 感極まったような心地なのだが怖いのか嬉しいのかわからないまま涙が溢れて視界が歪む。その瞳は抜けるような青に染まっていて)
“良かった、貴方、会いたかった、ずっと……!!”
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