白 2019-07-14 21:11:38 |
通報 |
▽Jackheart
(彼女は宛ら太陽であった。観客に向ける朗らかな陽光、僕の親友に向ける焦がれた熱線。敵を前にした時の鋭い眼光は、沈み行く太陽の暗い色にもよく似ていた。ころころと変わる色と表情に、注視し始めたのはいつ頃からか。元が無機物である分、人の体になって初めて得た感情というものをどうにも持て余しがちであった二年目辺りだったかもしれない。他のメンバーは彼女のキャラクター性を悪し様に言うけれど、態とらしい媚態は彼女の本能さえも内包したものであったから不思議と嫌悪感は湧かなかった。彼女はきちんと計算して動いていた、それが自分には好ましかった。時として恋情さえも見せ物にしてしまえる強かさには、一種尊敬さえしたものだ。だが、それも今年が最後。秋のワンシーズンのみ開催されるリクルーティングは今回で終わりを迎えるのだ。見飽きる事は無かった、まだまだ側で見ていたかった。結局、僕は彼女の強さの理由を、美しさの理由を見付けていない。嗚呼でも、魔法が解けていく。もう行かなくちゃ。)
__さよなら、僕の太陽。
トピック検索 |