闇色の世界　／　〆　

───…俺を待たせるとは、良い度胸だな。…カス鮫。（　ちらりと窓の外に視線投げ掛け、ぽつり呟き、　）

あ…悪ぃなボスさん。
見落としてたぜぇ…。(　 罰が悪そうに　 )



一人でならいつだって出掛けられんだろぉ？ベルがこの前美味い酒場見付けたって言ってたし、そこなら手間じゃないはずだぜぇ。
(　折角与えられた休み、たまには何も考えず一人ゆっくりと過ごすのも悪くないと思う事は思うのだが折角だからこそ相手と＿と思う自分もいる。一度誘ったならば実行したくなるのが性な訳で何とか外出に持ち込もうと比較的相手が乗ってきやすそうな提案を丁度思い付いたとばかりに出して　)

…余程カッ消されてェらしいな。（　眉根寄せ睨みつけ、　）


───、物好きが。…暇なてめェに免じて、付き合ってやる。（　追求を止めず目的地の提案迄してくる相手の様子に双眸細めては相手の無邪気さすら感じる様子に微かに溜息零し。疲れているなら寝て過ごせば良いものを、と思いながらも自分も相手と出かけることなど殆ど無い事も有り了承してしまえば減らず口叩きながらも執務用の椅子から立ち上がり、相手の元へふらりと立ち上がりソファに身体を完全に預けた相手を鋭くも凪いだ瞳で見下ろせば軽く痛み感じる程度にその頭を小突き、　）とっとと寝ろ、明日までに疲れを無くして来るんだな。

悪かったって。ボスさんの好きな酒奢るからよ、それでチャラにしてくれや。(　 手ひら　 )



そう来なくちゃなぁ！こんなショボイ任務で減った体力なんざ、回復に一日もかからねぇよ。
(　渋々かもしれないが何だかんだで要望が通った事に機嫌良さそうに立ち上がれば相変わらずの強気な態度で部屋を出て行き。＿＿それから一夜明け。隊服ではないシンプルな普段着を身に纏い再び相手の部屋を訪れれば「う"ぉぉぉい！！ザンザス！準備出来たかぁ？」朝っぱらから何とも迷惑な大声で相手の様子を伺い　)

──…ふん、それで機嫌取れる奴なんざ、てめェぐらいなもんだ。（　睨むの辞め視線逸らしては鼻で笑い、　）


───…いつまで経っても煩ェカスだ。（　来た時と同じく賑やかな程声上げながら部屋を出て行く相手の背中見送り再び静かになった部屋で小さく呟きつつ大事が無かったことにらしくないものの少しだけ安心しては自分も寝る為に自室へと戻り。翌朝、朝の所為か何処か不機嫌気味でもきちんと出かける格好には済ませ、昨晩と同じく賑やかな声で自分を呼ぶ声に舌打ちしてはベットの上にあった枕を相手の顔目掛けて投げ付け、　）───ッ…朝っぱらから喚くな。

痛…っ、てぇなぁ！餓鬼や女が投げる強さじゃねぇんだ、枕だってお前が投げたら凶器になんだろうが！
(　勢い良く飛んで来た枕を顔面にてきちんと受け止めればぽすりと床に落ちた途端にくわっと文句を叫ぶも、相手の容姿が何だかんだで出掛ける準備の出来たものであればその怒りも瞬時におさまり「運転手出させるかぁ？俺が運転でも構わねぇが」壁に背を預け胸の前で腕を組みつつ取り敢えず行く方法に要望はあるかと問い掛けて　)

性懲りも無く騒ぐてめェの問題だ。（　怒ったかと思えばあっさりと怒りが鎮火している様子に緩く首を傾げるも最低限必要なもののみポケットに入れ、武器や匣兵器は隠して所持していると聞こえて来た声に相手の方見やり一考し、ふ、と鼻で笑っては、「偶にはてめェの下手な運転に付き合ってやるのも悪くねぇ。知ってる酒場ならそっちのが早いだろう。」と相手の方に寄りながら告げ、　）

ハッ、ボスさんが乗るんだ、安全運転を心掛けなきゃならねぇなぁ。
(　互いに準備完了となれば扉を開け相手を先に行かせるよう促し。それに続いて己も部屋を出れば軽い足取りで廊下を歩きややしてエントランスへ。途中すれ違ったベルフェゴールに不思議そうな顔をされるがそれはスルーすれば城を出た後に「車回してくるからそこで待ってろぉ」とだけ残して足早にその場を離れ。ややして真っ黒の防弾ガラスボディの車に乗って現れると一度運転席から降りて後部座席の扉を開けそこに乗るように促して　)

（　相手の隣を歩きながら、少なくない年数の付き合い故にその足取りの軽さを感じ自分と共に出掛ける事を楽しんでいる様子の相手に心なしか悪くない気持ちを覚え。自分に言い残し去って行く姿大人しく見送りつつ殆ど時間も経たずに車に乗って現れ乗るのを促す相手の手慣れた様子に双眸細め、扉開けて此方が乗るのを待っている相手の頭を割と乱暴にだが撫で回し、何事も無かったかのように後部座席に乗り込み不遜な態度で席に身を預け、　）───、上出来だ。