匿名さん 2019-06-10 15:59:22 |
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□ 文化祭
(秋も中頃にて、時折頬を撫でる爽涼な風とは裏腹に、あちらこちらで賑やかな声が響き渡った。そろそろ一般客が顔を出す頃だろう、然し裏方担当である自分はする事が無い。強いて言えば道を聞かれた時の道案内、くらいだろうか。口寂しさに咥えた棒付きのキャンディの甘さに、少しだけ緊張が和らいだ様な気もするけれど。やっぱり人の多い場所はあまり得意じゃない。身の丈よりも少しばかり大きなキャメル色のカーディガンを手繰り寄せ、ちょっとだけ身を縮こませて。「 此処、通んないかなぁ…センパイ。 」ぽつりと叶わぬ願いを吐露してみたら、偶然にも窓の下を愉しげに歩く姿。言ってみるもんだ、なんて思った矢先、そんな彼と腕を組む小柄な女子生徒が目に付いた。───嗚呼、そう言えば彼女が出来たって言ってたっけ。胸中を鬩ぎ合う感情を必死で抑えながら、誰にもバレないように唇を噛み締める。恋愛に勝ち負けを求めたくはないし、彼が幸せならそれで良い───なんて、良い子ぶった結果が出ただけの事なのに。視界に映るキャメル色と、自分を彩るキャメル色が重なって。「 やってらんないわ、ほんと 」ガリガリと、只管噛み砕いた飴。ちょっぴり塩味が効いていた様な気もするけれど、きっと気の所為。)
(/拙い文章でありますが、ロル練習も兼ねて利用させて頂きました。途中睡魔が彷徨いておりましたので、普段以上に駄文ですがひとつ置かせて頂きます。〆)
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