匿名さん 2019-06-10 15:59:22 |
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□太陽
(その時が来るまでは自由にさせろと祖父から命じられているらしい目付役の男は己の行動を咎めることもせず黙って車を走らせる。日頃激しい運動などせず飄々と生きてきた身に少女を抱えて走るのは堪えたらしい、早鐘を打つ心臓は未だ落ち着くこともなく車内は冷えているというのに汗が落ちる。聞こえた声はエンジン音に消えそうな程にか細く、恐る恐ると触れる手の平は雪のように冷えていた。ただ眺めていただけの少女が、人形のように大人に虐げられていた少女が腕の中に居る、その高揚感と後ろ昏い悦びは時限爆弾を抱えているような人生を照らすには十分過ぎる。)──ああ、きみはそんな声をしていたんだね。僕はただの動物だ、窓のない部屋で時を待つ、ただの。…きみが、きみだけが、僕を"人"にしてくれる。(冷たく震える手にそっと自身の手の平を重ねて握り締めると、燃えるように火照る体温が僅かずつ移るような心地がする。いつの間にか高速道路に乗った車は停まることもせず徐々に夕闇に溶けていく街の景色を次から次へ流していた。)
〆
(/クソレスなんてとんでもない…!俯瞰しているような女の子がまさに理想で、とても嬉しかったので思わずお返ししてしまいました、ありがとうございます…!;;
お題の太陽は描写内の表現とお題と同タイトルの楽曲イメージで使用させていただきました…!)
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