匿名さん 2019-06-10 15:59:22 |
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【心の傷を負いながら※暴力表現など注意】
右目、右腕、左足、全部偽物。永劫強制的な笑みの耳下まで避けた左口端、潰された右胸、全部『ドクター』の理想の具現化。鼻と耳が無事なのは、さすがにそこまで弄ると客が付かないから、だと、至極残念そうに言われ安堵したのを確かに覚えている。
怪我をしていた鳥を見つけ、世話をすることを許されて唯一の心の支えになり、やっと飛び立てるようになった時、自分で裁いて、いつも通りの食事のようにアルコール漬けにして食べるよう命じられ…それから血液とアルコール以外味が解らない。何を食べても、まるで砂でも食べているようで、只、生きる為に胃に流し込んでいるだけ。
今でも『ドクター』は幻聴や幻影で現れあの声音と表情で逃げることも目を逸らすことも許さない。そう、そんな地獄から救ってくれた『あの人』さえも奪い去ったように。だからもう、誰にも頼らず縋らず殺意や憎悪を向けられる嫌われ者、を演じ続ける日々。
『悪い子は食べちゃうぞ』
「んなさい、ごめんなさいドクター!!ちゃんといい子にな?!……夢、だったらよかったんさね……」
不意に耳元で聞こえた気がし、飛び起き謝罪。その声音は只管捨てられることを恐れる子供、夢だと気づきぽつりと呟いた、右半分の口元は悲痛に歪み『ドクター』が望むアシンメトリー。その事実に気付き、無自覚に涙を流し、幼い子供の様に、只膝を抱えうずくまるのであった。
【スペース感謝、某オリなりで使用キャラで練習〆】
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