匿名さん 2019-06-10 15:59:22 |
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〇羽の無い鳥
(ビリビリと痺れるような痛みで目が覚めた。横たわる体を起き上がらせ周りを見渡すと、そこは鉄格子の籠の中だった。鉄格子の間から見える光景は殺風景で、あるのは白い壁に黒いドアと真っ赤なシングルソファだけ。「痛…っ」と背中に走った激痛に我に返り、背中へちらりと目線をやる。そこにあるはずの大切な白い翼が無かった。)
【いやぁぁあっ!!誰か助けて!!】
(恐怖と苦痛に悲鳴をあげ、鉄格子をガタガタと揺らす。そんなことをしても無駄だと分かっていても逃げ出すことで頭がいっぱいだった。物音に気付いたのか、黒いドアが不意に開く。そこに立っていたのは白髪の老人だった。こんなに暴れているのに彼は嬉しそうに微笑みながら近寄ってくる。今度は何をされるのかと籠の中の奥へと下がると老人は少し悲しそうに呟いた。「余程恐ろしい目にあったのか…可哀想に、安心しなさい。ここには君を虐める者などいないよ。」あぁ、そうだった。私は飼い主に翼を切られて捨てられ、この人に拾われたのだ。籠の中に差し出してきた老人の手はシワシワで、暖かく、そして優しかった。私はそっと寄り添い、彼のために鳴いた。)
ピィ__ッ
(/駄ロル失礼いたします。【】は鳥自身の声で、人間ではなくて本物の鳥さんです。お題を見た時一瞬で思いついたので練習ついでに遊ばしていただきました。返信不要。ありがとうございました。〆)
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