匿名さん 2019-06-10 15:59:22 |
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【節分】
『節分の、鬼は哀れと、思う身ぞ、まことの鬼は、人の心よ』
(今日は節分、通りかかった神社の豆まきで気付き、ふっと"あの人"が言っていた川柳を思い出して、歩みが止まる。
共に外道に成り、底なし沼に沈み続けているあの人は、愉しげに壊れた笑みを浮かべ言った。あの女を殺し人の道を踏み外して心が壊れてしまったのに、まだあの人の心を独占するあの女が心底憎くてたまらない。だけどそれを押し込めて押し込めて、共に地獄への片道切符を切って、もう浮き上がれない底なし沼に沈み続ける、とっくの昔に、覚悟を決めたことだ)
「鬼は内」
(口角を上げ、呟く。鬼だというならば、あの人といたいが為に、喜んで外道に堕ちた私だ。
それでも。
私には貴方だけしかいないのに、貴方の視界の端にすら、私は映らない。
いつまでも続く事実、それに気付かないふりをして、あの女を私に重ねているだけだ、と知っていながら、傍にいる為に他者を喰いモノにする鬼だ。1番恐ろしいのは、人の形をしたモノ)
「死んでも、離れないから」
(狂った渇望を口にして、きっと私は今、ひどく歪んだ笑顔だろう。他人事のようにそう思いながら、あの人が待つ組事務所へと急いだ)
【節分過ぎてる上に完全な趣味。お題感謝です。
救いようのないバッドエンドが好きです。続けるも続けないも、あなた次第】
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