睡蓮 2019-06-07 22:39:40 ID:2a5b1c7e4 |
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「……ふむ…悪霊かえ。可哀想に…
昔は名のある武将だっただろうに…」
鬼姫である梓の瞳に映るは、隻眼の武将。
それが【伊達政宗】であることは明確で。
梓は憂いと悲しみを帯びた瞳で【奴】を見る。
『…どうしますか、梓様』
白蘭は、梓に訊ねる。
「このままにしておくのも可哀想じゃ…
救ってやろう」
梓は微笑んだかと思うと、扇子を開いた。
その刹那。
黒蘭が鞭をぴしり、と地面に叩きつけ。
白蘭が太刀をすらり、と抜き放ち。
『……来いッ!』
【奴】は、声とも、気合いの塊ともつかぬ
声なき声を張り上げる。
白蘭の太刀と【奴】の刀が触れ合い、
火花が散る。
戦場における、究極の以心伝心。
にやり、と微笑んだ白蘭は袈裟に斬りつけた。
【奴】はうめき声を上げながら消えてゆく。
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