「…出立か、私は暫し様子を見るとしようか」 民家の陰に紛れ、周囲の音に注意を注ぐ者が一人。ふと街路を何者かが歩む音が響く。その音を捉えると、閉ざしていた眼を開け街路を窺う。そこには額から角を生やした人影がみっつ、それが梓達であろう事は明白で。自身の付近を通り過ぎたのを見届けるとその場を離れ、遠巻きに梓達を眺めてぽつりと呟く。