睡蓮 2019-06-07 22:39:40 ID:2a5b1c7e4 |
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少し入りのロルを載せます。
入れる方はどうぞ。
(ヒデヨシ、ユキムラの方々は少しお待ちを…)
「…………」
微かにため息を吐くは、真っ直ぐな黒髪と
色白な肌に映える赤い角を生やした少女。
彼女は口許を覆っていた藤と桜の扇子を
パチン、と小気味良い音を立てて閉ざした。
「…行くとしようかの。白蘭、黒蘭」
呟き、部屋にいた男女をそれぞれ呼ぶ。
『承知いたしました、梓様』
白蘭、と呼ばれた短い黒髪の洋装をした青年。
彼の額にも、黒い角が生えている。
《了解しました、鬼姫様》
黒蘭、と呼ばれた着物を纏った少女。
彼女の浅黒い肌から、捻れた角が生えている。
「昔の《約束》を守る時じゃ。
…【《鬼》は人を見棄ててはならぬ。
また、人も《鬼》を見棄ててはならぬ】」
彼女たち三人は、豪奢な武家屋敷を出た。
高下駄と、革靴と、草履の音が街路を進む。
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