「《トルコキキョウ》、お前も何か喋りナ」 女商人の言葉に《トルコキキョウ》は 一瞬びくりと身体を震わせた。 『…あ、あの…僕、《トルコキキョウ》です…。 …初め、まして…?』 彼のおずおずと開かれた唇からは、 鈴が鳴るように美しい声が漏れる。 「気は弱いがネ、大人しくて扱いやすい子サ。 どうだい、この子を買ってくかイ?」