踊る案内看板 2019-05-19 20:36:35 ID:02c0ae1d9 |
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「そろそろかしら」
書斎から少し離れた一室。一人のメイドが揺り椅子から立ち上がる。時計を確認すると、思った通り客人が来る時間の30分前だった。主人に与えられた自室を後にし、台所へ向かう。毎日食事を用意するために訪れる場所だが、毎度のことながら一人で動くには広すぎると思う。とは言え、元々は大人数で立ち回る事を想定して作られたのだから当然なのだが。そんな事を考えてる内に台所に着く。入り口付近にある戸棚を開け、その奥に置かれている缶を取り出す。これは主人お気に入りの一品で、客に出す事はほとんどない。
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