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No.2
by …魔界伯爵の優雅な何か… 2019-05-20 16:12:16 ID:02c0ae1d9
魔界の平野にそびえ立つ大きな屋敷。怪しさ漂うその屋敷の主人たる吸血鬼は、書斎の椅子に深く腰を掛けている。
「…カタリア、美味しいかい?」
机の上に置かれる鳥籠から放たれたブラッドホークのカタリアが餌を喰らう様子を見てポツリと呟く。新鮮な青ラットの肉を啄むカタリアを撫でると、目を細めて首を震わせる。そんな様子を笑顔で眺めつつ、今日の用事を伝えにメイドが来るのを待つ。自分の用事は把握しているが、それでもメイドを待つのは、主人がメイドと関わる時間を大切にしたいと思っているからだ。