匿名さん 2019-05-17 01:14:06 |
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( パチン、と音を立てて命中したデコピンに少し顔を歪めて相手は此方をみる。その様子に少し笑っては心配の言葉をかけた。先輩らしいお言葉を頂いたその後数秒も経たない内に5限目終了の知らせであろうチャイムが鳴り響いた。そういえば授業中だったとその存在を思い出していれば目の前のシルエットが動いた。2度目はない、と投げかけられた煙草への忠告と自分に向かって飛んでくる飴。それを上手に受け取った後、彼はもう教室から出て行っていた。なんだか興味深い人に会ったなあ、と上機嫌で貰った飴を胸ポケットに忍ばせれば、机の上に伏せるようにして目を閉じた。 )
( 聞き慣れた音。もうそんな時間になっただろうか、ズボンのポケットから携帯を取り出せば6限目の終了時刻。成る程先ほどの音は終業の合図だったわけだ。人通りが少ないとはいえ、いつもよりも騒がしくなった廊下にそろそろ帰る時間かと荷物を取りに教室へと足を運ぶ。 )
( 荷物も取りに帰って担任に捕まり説教されて何とか開放された頃には友人らは自分を置いて帰宅しており、なんだ薄情者めと思いながら階段を降りる。ふとすれ違ったクラスメイトに下駄箱今は行かない方が、なんて忠告されたけれど何かあったのだろうかと思いながらも帰宅したいので歩みを止めることはなく。漸く辿り着いた下駄箱には見知った物騒な顔ぶれが並んでいた。暇かよ、なんて悪態を吐きながらこれ以上面倒になるのを避けるためにも心の内に秘めておく。さっきはどーも、なんて典型的な言葉。あーやだやだ、これだから不良ってこわーいなんて挑発じみた言葉をかけてみる。プライドが高いんであろう彼らはすぐに此方へ向かって手を出してくる。これだから無駄にプライドが高い馬鹿は、なんて内心彼ら不良に舌を出していれば殴られた反動で下駄箱に頭をぶつけた所為なのか若干額から血が滲む。誰か教師呼んできてくれないかなあなんてまるで他人事のように考えていれば思った通りにすぐに教師がやってきた。此方は手を出してないし大丈夫だろうと平然とした様子で帰り支度を始めていれば、担任が笑顔でやってきた。事情をきくからちょっと来い、と。ちなみに目の奥は笑っていない。自分の計画では自分はお咎めなしですぐに帰れる予定だったのに、あれれ。なんて作戦はから回ってしまい、担任に連れられるように保健室へと向かった。 )
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