匿名さん 2019-05-17 01:14:06 |
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( 声が漏れたのに気づいたのは既に彼が対峙しているその不良が此方へ歩みを進めている時だった。あ、ヤバ。今度は心の中で言葉を仕舞っておく。どんっ、と勢いよく押された彼を見て少々の怒りを覚えながらもやいやいと何かを言いながら此方へ歩いてくる不良を見つめる。生意気。そう発された直後に髪の毛を強引に掴まれる。度胸はあるものの、そこらの少女漫画でもあるまいし喧嘩が得意というわけではない。掴まれた髪の毛に痛みを覚え少々苦痛に顔を歪めていれば「先輩に向かって調子乗りすぎじゃね?」なんて。元々短気な方ではないけれどそこまで温厚なわけでもない。苛立ちを抑えきれずに遂に声を発してしまう。)そういうのがダサいって言ってんだ…よっ!(蹴り上げた足は自分を掴む茶髪の股間に命中した。自分だったら悶絶するなあなんて無駄に状況に慣れてしまった脳味噌で考えては咄嗟に離れた髪の毛に今しかない、と彼のもとへと駆け寄る。)逃げるぞ!(自分の様子を見守っていただろう彼の手を掴んで引く。戸惑う不良を他所に屋上の扉を開ければ階段を駆け下りた。ここからだったら空き教室が一番近いだろうか、彼の様子を確認することもなく夢中で目的地だけを目指した。 )
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