梔 2019-05-10 21:27:49 |
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>>榊
(嗚呼、しまった。やはり怪我なんてするもんじゃないな。逃した魚は大きいと心の中で後悔するも怪我が早く治るわけではなく、ただ頭を撫でられる心地良さを甘受するに留まる。しかし、自分も男であれば自分の好意を寄せる相手が白百合のように微笑む様を目の当たりにしたら欲が芽生えるというもの。彼の頬に手を伸ばし、その滑らかな肌を親指の腹で存分に堪能した後にやや癖のあるふわりとしたサイドの髪に指先を移してその形良い耳にちょい、とかける。常の自分が見たら卒倒しそうなほどの浮ついたそんな事を霞みがかった脳みそは存外すんなりとやってみせて。緩く弧を描く瞳から迸る慈愛の柔らかさは朝日のように軽やかで暖かく、それを存分に貪ると、自然に目蓋が落ちてくる。ぼんやりとしてきた視界に映るのが彼の微笑みだなんて贅沢だな、などと心の底で思いつつなんとか「…すみません、榊さん…、先に…就寝を…」と会話とも言えないような単語を呟きながらぷっつりと意識を手放して。
一方その頃ヤマトでは、大蛇についての情報収集をしていた茉莉花がふと気になったメールの内容を吟味している最中。「…闇カジノね…。」ポツリと呟いた単語はもちろんメールの内容の一部。そのメールにはある大きな闇カジノに大蛇が一枚噛んでいるかもしれない、というような嘘か本当かも曖昧なことが書かれていて。)
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