梔 2019-05-10 21:27:49 |
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>>榊
嗚呼、…ありがとう兄貴。(未だ狼狽える部下と茉莉花にその場の処理等を頼み、上記を一言だけ残してその場を後にする。その謝辞は何に対しての言葉なのか朧げに掴みとった茉莉花は、二人が去った後に現れた応援へ部下を頼み、それともに現場の処理を始める。心の中ではもう一人の自分へ謝辞をくれた相手…自分がいくら傷つき、不穏な影の前であれど他人への心遣いや状況判断の鋭さが消えることはない彼、己が兄弟が互いに思い馳せる榊の様子に引っかかりを覚えるが、今の自分にできることは弟に彼を任せ、安心して帰って来られる場所を構えておくこと。応援に来てくれた部下達も、怪我をした部下から彼が帰ってきた事を聞いて安心した様子を浮かべる者ばかりで、それも難しくはないだろうと思えば自らも作業に加わって。
何処か息苦しさのある静寂の中、訪れた木の戸は馴染みがあるもので笑顔で出迎えてくれた闇医者の言う通り上着を脱いで椅子に座る。徐々にではあるが痛み止めも効力が切れかかっているのか、鈍い痛みが身体中から響いてくるのを感じ取り目頭を抑えるが、彼が立ち去ろうとしているのが視界の端に映ると思わずそれを追いかけそうになる。『こら、どこへ行くんだい。お前はまず治療だよ、お前のボスも言ってただろう?』しかし、ぐい、と襟首を掴まれたことによってそれは阻止される。『お前は全く…若さにかまけて怪我してるとそのうち治らなくなるよ。人の体は無敵じゃないんだからね。』「いっ…!!」バシバシ、と少し乱暴に見えて的確な消毒液を含ませたガーゼで怪我の周りを消毒していく中でかけられたその言葉は耳が痛い一言、自分でももっと考えて戦闘に臨むべきだとは考えているがどうしてもじっとしていることができない己の未熟さが勝り、今回もこの有様である。俯きながらその事実を噛み締めじっと治療を受けて)
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