梔 2019-05-10 21:27:49 |
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>>榊
はい。互いに怪我はありません…承知。(電話越しに話す彼はやはり俊敏な判断と冷静な対応で、その声は体に伝わり気持ちが高ぶっていたのが嘘のように静まり、心が落ち着く。何をすべきかを彼が導いてくれる、それだけで頭がすっきりと体は軽くなったかのよう、なんて再び彼が命令をくれる事に心の端で喜んでいたものの、電話向こうで兄の名前が呼ばれると無意識のうちにむっとした表情が現れて。
『お礼なんてええよ。俺は坊のその顔見たいだけやねんから。』自分の意見が承諾されたことに少し驚いた顔をするも、すぐにそう返し以前と同じように前髪の下の額にキスをしてそのまま頭を撫でる。本当は彼のこの優しい彼の笑顔を眺めていたいが、そうもいかない。『…ほな、お邪魔虫は退散して何かしら調べてくるわ。弟によろしゅう。』と一言残して立ち去り。
「何かしら知っているようではありますが…この様子では重要な情報は望めません。今この屋敷に榊さんが戻られるのは危険かと思いますので自分達が一度そちらへ向かいます…この者へのプレッシャーにもなるでしょう。」彼の冷静な声で心臓を落ち着かせると、ちらりと下っ端を観察して上記を説明する。この屋敷内に盗聴器が仕掛けられたということは屋敷内部の構造もバレてしまっているだろう。今回は時間が足りなかったのか、やってきたのがこの下っ端のみで助かったが、今後はそうなるとも限らない。今は…彼を失いかけた経験をしてしまった後では、僅かな危険の可能性も彼に近づけたくない。「…どうやらこちらに雛菊と竜胆が着いたようです。後程ご連絡を。」彼との電話に集中していたものの、現れたヤマトの部下2人に目配せをすると1人は屋敷内の盗聴器を探しに、もう1人は下っ端を立たせ、尋問する作業にテキパキと取り掛かった為上記を言って電話を切ると2人に任せて少し休むため屋敷の玄関に座り込んで。)
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