執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>レベッカ
レベッカ、熱イ。オレ達、冷タイ。…デモ仲間、( 触れた掌からは、自分たち怪物にはない温もりが伝わってくる。人に"寂しい"という感情があるのは、この体温を恋しく想うからなのだろう_そう無意識の内に腹落ちすれば、猶の事こうして貴女に触れていられる事実が貴重であると感じられて、噛み締めるように一言一言を紡ごう。貴女は同胞、" 今夜は特別ダカラ "と付け加えた事に他意があるか否かは不明。差し出されたプレゼントを両手で受け取りながら「 …ン、アリガト 」どこか味気のない生返事になってしまったのは、普段化粧っ気の多いわけではない貴女の唇を彩る深紅に視線を奪われていたから。普段とは違う艶めかしさ、いつも通りの無邪気さの混在にどこか落ち着かない様子で頬をぽりぽりと掻いて。開けてみて、促されるがままにパープルのリボンを解こう。カボチャの笑顔を珍しそうにまじまじと眺めた後、袋の口を広げて中を覗き込む。途端に香るのは懐かしいような甘い香り、そして如何にも柔らかそうなマフラーが金の瞳に映る。「 コレ、甘いのダ…! 」手編みのマフラーより先にお菓子へ食いついてしまうのは、この怪物のご愛嬌。見覚えのある宝石のようなお菓子はまさに魔界のキャンディで、いつもはくすんでいる双眸を輝かせ「 ドコにアッタ?オレ、コレ大好キダ 」本能の赴くまま、半透明の袋を開いて宝玉を一つ摘み上げる。それはいつか話した好物の果実のフレーバー、シャルロットの瞳とよく似た色のキャンディを躊躇いなく口に放り込めばガリッと一噛み。舌の上で転がして溶かすのなんてまだるっこしい真似は出来ない、その性急な味わい方が自身の高揚感を如実に表していて「 旨イ、 」甘味に綻ぶ表情。普段はなかなか見せる機会のない締りのないそれを、惜しげもなく貴女にだけは晒したまま、袋にまだまだ重みが残っている事に気が付く。そうして漸く取り出したのはハロウィンにぴったりのマフラーで、自分が愛用している黒いものと何度も見比べながら「 コレ、レベッカが作ったノカ…? 」まさかそんな筈は、とでも言いたげなニュアンスを含んでいるのは、ミサンガはともかくこんなに大きなマフラーを手で編むなんて発想が自身には無いからで )
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