執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>マリーシュカ
ありがとう、(間近に見たその姿の美しさは、この屋敷で初めて目にした彼と同じく人間離れしていて思わずはっと息を呑んでしまいそうになる。そして何よりも、淑女を相手にこんな感情を抱くのも聊か失礼な話ではあったが目の前に居るのは美しい大人の女性、やはり頭の中から消えることのない母の存在に薄っすらと近しいものを感じてつい気を許しそうになっていた。しかし、鼻先をつつく指のひんやりとした感触にぱちっと瞬きをしてそちらに気を取られると、近付く距離と矢張り美しいその微笑みに恥ずかしいやら照れ臭いやらで薄っすらと頬を赤く染めて。事前に聞いていた通り、いざ吸血鬼が目の前に現れると思うと緊張の他に不安もあったものだが、彼女の穏やかで優しい振る舞いのおかげでまだ落ち着きを維持できている。ともかく立ち話をさせては失礼だと、扉を開いて彼女を部屋の中へ招き入れると「中へどうぞ、マリーシュカさん。僕、貴女に渡したいものがあるんだ」と、彼女の元を離れて部屋の奥へ進み)
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