執事長 2019-05-03 19:58:05 |
通報 |
>ヴィンセント
__フハハ!末恐ろしい小僧よの(弱冠十歳かそこらの少年にしては、随分様になっているエスコートに一瞬瞠目。次いで弾ける様に笑ったのは、その姿の中にまだ愛らしさといじらしさが存分に残っていたから。淑女に対する作法も弁えているらしい貴方の頭、サラサラとした金糸を弄ぶ様に尻尾の先端で擽って「あまり愛想を振り撒くでないぞ、何を隠そう吾等は怪物なのだからな」幻想ばかりを持たせるわけにはいかぬと、すかさず顔の前に食指を建てて釘を打つ。その割には、貴方が此処へ連れ去られた真の理由には触れようとしないまま、何かを閃いたと手槌を打って「淑女を部屋へ招くのだ、持て成しの品がひとつも無いのは無礼であろう。__ほれ」手のひらを上に、指先を貴方へ向け、手首を自身の顎先に添えてふわりと息を吹きかける。すると淡い黄金色の光の粒子が瞬く間に何かの形を生し、貴方の手元へとひとりでに収まって「例の吸血鬼が好む花だ。そちからのお近付きの印とするがよい」花の名はラナンキュラス。それは吸血鬼の女が、人間界に咲くものの中で贔屓にしている花で)
トピック検索 |