執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>ヴィンセント
__フン、生意気な小僧め。重いだの疲れただの、文句を垂れるでないぞ(着物の件は屋敷の案内役を免れる為の言い訳だったが、賢い貴方に一枚上手に回り込まれてはひらひらと何かを払う様に片手を振って。けれど拒否の意は紡がず、寧ろその提案を受け入れた旨を、高慢な憎まれ口を叩く事で伝えよう。鈴の様な笑い声を聞きながら、やけによく懐いたものだ、とぼんやりと思う。人間界に居た頃世話になった者に面影を重ねられている可能性も脳裏に去来するが、同時に吸血鬼の名が上がれば意識はそちらに切り替わり「ほう、ならば伝えておいてやろう。利巧な小僧が会いたがっている、とな」背後でゆうらゆうら、優雅に尻尾を複数揺らす。パパとママ、その単語にちくりと胸のどこかが痛むのに気付かない振りをし、澄ました顔で「男の吸血鬼は傲慢で、そちの様な幼気な獲物にも容赦なく不遜に振舞うだろう。女の吸血鬼は多情でな、気に入られれば多少厄介。どちらがよいかな」懇切丁寧に注意事項を挙げるのは、貴方が後悔のない選択を出来る賢さと強さを持った子だと信じているが故。吸血鬼に貴方が喰われてしまわない保証などない、これは危険なやり取りだ。けれど自身がいつでも貴方の傍に居てやれるとは限らない。多少のリスクはあれど、貴方を孤独に放っておくよりはマシだろう)
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