執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>ギンハ
僕がママの言い付けを守ってたから、きちんとしてたから、ギンハ様は僕を選んだの?(状況を把握する事、人の話をよく聞く事、めそめそしない事__今この場で自分がやらなければならない事はたくさんある。70億という途方も無い数から選ばれた一人、己をそう評価した彼の言葉にせめてこれまで自分がやって来た事に自信をもつべきだと揺らぎ始める弱い心を奮い立たせた。然し、時として優しさの前に意地は呆気なく陥落してしまうものであると思い知る。こんな風に優しく抱かれるのは随分と久しい、そんな気がしていた。とん、と思いがけず彼の胸元へ顔を埋める形となり一瞬小さく呻く。全身が熱くなり、きゅっと強張った。いよいよ耐え切れずに瞳から零れた涙が彼の服を汚してしまわないようにそっと顔を離し、代わりに残ったままの尻尾をゆっくりと緩い力で握り締めると「僕は泣かないよ。泣いてどうにかなるなら、多分ギンハ様はもう僕を家に帰してる。そうでしょ__でも僕、これから此処でどうすれば良いの?」、せめてもの甘えは彼の膝の上から降りずに居る事。そそりと顔を上げ、いつの間にか取り戻したすまし顔で尋ねると今度こそ彼の尻尾からも手を離し)
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