執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>ニコル
それは良かった。死神を歓迎してくれるなんて寛容だね、ニコル(澱みのない洗練された西洋のお辞儀、それに応えるように自身も片手を胸に添えて一礼を。見た所かなり若い様だ、上手にお化粧をしているが目鼻立ちには幼さが残っている。にも拘らず、死神を前にしても取り乱す様子を見せないとは。_否、最早取り乱す元気もない程疲弊しているのか。ふむ、と自身の顎に手を添えつつ「悪魔は嘘を吐くけれど、交わした契約は破らない。覚えておくと良いよ」あまり悪魔について不穏な知識を植え付けては、後々彼に怒られてしまいそうだ。故にふんわりとした助言を付け足すに留め、次いで投げられた問いに答える前に窓の外の月へと視線を移して「此処は怪物の支配する屋敷だからね。悪魔や死神が凡庸に見えるような、様々な隣人が住んでいるよ」一歩、二歩と窓辺へ歩み寄る最中、ふと視界に入ったのは窓枠に絡み付くように咲く黒薔薇。花弁を傷付けないよう、そっと指先でそれに触れながら「中には、こうして穏やかに言葉を交わす事が出来ない者もいる。不用意に一人で出歩かなかったのは、賢明な判断だったね」首だけを巡らせて貴女へと振り返り、月光に照らされながら労いのような意味を持つ微笑みを向けよう。人間から見て不気味であろう瞳、それを忌避するどころか褒められてしまえば「随分粋だね、ニコル。俺の星も君の輝きには劣るよ」歯の浮くような台詞を臆面もなく言い放つ、それは社交辞令の類は一切含まれていない、心からの賛辞で。怪物が出した怪しげな物など受け取れるか、と突っ撥ねられる事も懸念していたが、素直にキャンディを手に取ってもらえれば「さあ、どれでしょう。気に入ったのなら、またいつでも見せてあげるよ」しぃ、とするように人差し指を己の唇に添え、茶目っ気を表すようにぱちりとウインクをしてみせて)
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