執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>クォーヴ
気にしないで、ちょうど話し相手が欲しかったの。……失礼したわ、私はニコル。よろしく…は、少し違うかしら。お手柔らかに、死神さん。( 本当は喉から手が出るほど渇望していた現状脱却の鍵、けれど弱みを見せまいとあくまでにこやかに、なんてことのないように言い放ち。名を尋ねられて初めて名乗りを忘れていたことに気が付いて、改めて切羽詰まっていることを自覚しつつ今度は此方から謝罪。手馴れたように服の裾を摘んでカーテシーを披露し。「 …そうなのね。とても頭の良さそうな方だったから、こんなこと聞いちゃったら益々、彼の前では気が抜けなくなりそう。…私、今のところ彼と貴方しか知らないのだけれど、他にお住いの方はいらっしゃるのかしら 」忠告を素直に受け取って件の男性への警戒レベルを引き上げ。言われてみれば確かにあの目は、父と日々熱弁を繰り広げ貶め合う老獪な官僚たちのそれに似ていた。“彼かな”の言葉より少なくとも他の怪物が数人はいることを目敏く拾い上げては続けて質問を口に。「 ありがとう。貴方の目も素敵ね、若い星の色をしてる 」社交場で定番の容姿の褒め合いに自分の調子が戻ってくるのを実感し。黒と病的な白の中にある唯一と言っていいその色彩は本当に夜の星を思わせ。貴方の手の中に突如現れた存在には驚きを隠しきれずに「 …凄いわ、どんな手品を使ったの、それとも魔法? 」質問への答えも感謝の言葉も忘れ、差し出されるままに容器を両手で受け取ってしまいながら今しがたお褒めに預かった双眸をきらきらと輝かせ。 )
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