執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>ハイネ様
(視界が徐々に鮮明になってきた。人間とは相容れない容姿の彼は、丁寧で冷酷且つ、不敵な笑みを浮かべ僕を誑かす風で。御目出度い奴……か…。言い返す言葉も思い付かず、的を射ているなと感心を覚え「偶に言われるよ」と呟く。先程から、彼が微笑する度に美麗な顏の左眼に巣食っている傷跡の様なモノが目立ち、ぴんと尖った耳に何処かエルフらしさを感じ。エルフと呼ばれる種族はゲルマン神話が起源であり、西洋伝承に於ける妖精の類で知性と神聖さを兼ね備えた唯一の存在として名高い。男性の個体は文献で滅多にお目に掛かれない印象だが。魔物の友人でもいれば、少しは判定が信憑性を帯びただろうが、人脈ならぬ怪物脈は皆無だと悲しみながらも、刹那顎に手を添えられた事に戸惑いつつ、此方も張り合う様に彼の瞳から決して目を逸らさず。中でも非常に興味深いのは、エルフは白を意味する"albh"に由来するにも関わらず彼の肌は白とは程遠い灰色である点。これを筆頭に疑問点ばかりが浮上するものの、彼の機嫌を損ねる事は言うなれば恩を仇で返す様なもの。残念ながら"使い魔"は確かに彼の口から発せられた単語らしく、僕を"獲物"として捉えている風な厄介な物言いまで繰り出されたが、もう後には引けず「取り乱す事が癖になれば仕事に支障を来たすから……薬を調合するのを生業としてるんだ。きっと君には効能は無いだろうけど」申し訳程度に薬瓶を掻き混ぜる真似を交えて述べ。彼から少々距離を置いてベットに座り直し、間髪を入れずに)申し遅れたね、サミュエルが僕の名だ。君の事、加えて僕が置かれている状況について知り得ている情報は何?
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