執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>ダリア
…俺の話聞いてた?(忠告を受け入れてくれたかと思いきや、その理解は正解とは程遠く。辟易する様に長く溜息を吐き「俺やジョネルみたいに、言葉の通じる怪物ばかりじゃないんだ。だから、屋敷を探検したいなら守ってくれる怪物を見つけるんだよ」久々にこんなに長く言葉を発した気がする。言い終わるや否や酸欠の様な錯覚に襲われ、ひゅ、と短く息を吸っては再度深く吐息して。部屋を出るなと言っている訳ではないと今度こそ伝わればいいが、と立ち上がった貴女の双眸へ視線を移し。このまま互いの名も知らぬまま別れられればそれがベストだった、何故なら自己紹介を済ませてしまえば否が応にも知り合いになってしまうからだ。どうかこのまま立ち去ってくれという祈りも虚しく名乗られてしまえば、口を噤んで俯いて。たっぷりと間を置いた後、漸く面を上げれば「……ヴィンス。」こうなってしまえば名乗る他ない、個性的な怪物が多い屋敷の中では礼節を弁えている方だと自負している。渋々といった様子でぽつり名を呟きながら、貴女へ向けて片手を伸ばそう。どうやらそれは握手の為ではない様子。差し伸べた腕にするする蔓が這って行き、やがて落ち着いた色合いのグリーンの蕾が自身の掌の上にちょこんと現れて「正しい方向に進む度に、花びらが一枚ずつ開いてく。満開になった時、一番近くにある扉がダリアの部屋。」その蕾は道しるべ、せめて貴女が迷わず帰れるようにと。人間には無臭だが、怪物が本能的に嫌う香りを放っている、という説明は面倒故に省いて「…分かった?」受け取れ、とでも言わんばかりにもう少しだけ蕾を乗せた手を伸ばして)
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