執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>レナード
君は好き勝手に触られるの、嫌いだろ。だから、(持て余して所在なさげに彷徨う左手をちらりと見やる。彼に触れようとした刹那、脳裏を過ったのは月の綺麗な夜の一幕のことであった。二度目の謝罪の理由を説明しようと開いた口は、伸ばされた形の良い指に妨害され、不格好な形に縫い付けられて、閉口せざるを得ずに。相変わらず人の体温と掛け離れたひんやりとした指先は彼が人外であることを示す証であるが、今はその温もりが心地好い「失くす訳ないだろ」冗談っぽく、湿った空気を一掃するように紡がれた言葉に緩く頭を降って、贈り物を握り締めたままの右手にそろりと左手を添えた。手の内から零れる、時を刻む秒針の音が心底いとおしく、罪悪感から強ばっていた表情が綻び「俺は物の価値はあまり分からないけど。でも、これは、何物にも代えられない」二回目のありがとうは口に出さなかった。言葉にしないと伝わらないことだって沢山あることは知っているけど、もう十分だと思えたから。再度、彼に向けて手を伸ばせば、次は躊躇することなく黒衣の裾口でそっと患部周辺を押さえ。手当と呼ぶにはお粗末な処置を続けながら語りかける声色は弟や妹に言い聞かせるような穏やかなもの「体が丈夫でも、手当はちゃんとしないと駄目だぞ」そうして手を放す。その後は、青年に導かれるがまま廊下を進み、無事に部屋に辿り着くことだろう)
(/かしこまりました!レナード様とお話させていただくつもりが、結果として素敵なものを頂くことになってしまって背後が平伏しております。ひと段落して場面的にキリが良さそうなのでこのレスで回収とさせていただきました。頂いた時計は大切に使わせます!長くなってしまいましたが、今夜も素敵な時間をありがとうございました!おやすみなさいませ!)
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