執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>レベッカ
(奈落の底が待ち構える断崖から真っ逆様に落下する様な、掛け替えのないものを失ってしまいそうな得も言われぬ感覚に押し上げられるように、意識が覚醒した。急激に息を吸い込んだ気道が音を立て、瞠られた奇妙な双眸の瞳孔は開いていた。「……またか」上半身を起こしながら忌々し気に呟く。きっとまた、一つ記憶が抜け落ちた。何を忘れたのかすら覚えていない、いや元からそんな記憶は存在していなかったのかもしれない。終わらない疑心暗鬼の螺旋に引っ張られるのに抗うかの如く、ぶんぶんと首を左右へ振る。「…良いよ別に。失ったなら、補充するまでだ」立ち上がりながら吐き出した言葉には、諦念や絶望、寂莫とした怒り、複雑な感情が込められていた。この辟易とした気分を晴らすには、耳を疑うような派手な記憶が必要だ。自分には無いそれを狩る為に、死神は自室を出た。貴女の部屋に目を付けたのは全くの偶然。ノックを三回奏でた後に「やっほー。いるなら出て来てよ、君にお願いがあるんだ」最近刺激的な記憶を持つ獲物はとても希少で、だからこそ期待と自棄が入り混じる声音。それでも一縷の望みを捨て去ることは出来ず、どこかそわついた様子で応答を待とう)
(/ジョネルですね、畏まりました!初指名を頂き有難うございます、早速お迎えに上がりました。短いお相手になってしまうかもしれませんが、お時間の許す限り宜しくお願い致します…!)
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