執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>リアンナ
――待て(いつもよりずっと低い、男らしさを感じさせる深く響くような声で、再度口付けを図った貴女の動きを御して。再び目を閉じ、すぅ、と息を吸えば小さく身体を後ろに引き、ヘッドバットの要領でゴチンと軽い頭突きを貴女の額へ。「そうやって自分だけ満足しておっ死ンでくつもり?残されたアタシの気持ちなんて御構いナシってワケ、」ぐりぐりと額を押し付けながら、通常通りの弾む声音に。それはいつもの叱る様な凛とした声音ではなく、心からの抗議をぶつけるようで。はぁぁぁ、と態とらしく長い長い溜息を吐き、ぎゅっと貴女を抱き締めれば耳元に唇を寄せ「ホント、馬鹿な子。…でも、嫌いじゃなかったわ」ふ、と微笑みが混じったのは馬鹿馬鹿しいほどの愛しさが溢れたから。そっと顔を覗いて貴女の頬を濡らす涙を親指で拭い取り、真っ直ぐに瞳を見つめて「有難う。またね、リアンナ」貴女が黒薔薇へと姿を変え、屋敷の何処に咲こうとも、きっと見つけ出すだろう。そんな根拠のない自信を言外に忍ばせ、穏やかに微笑んで頬を撫でた後に静かに唇を重ねる。時の流れすらゆっくりに感じさせるほど、丁寧でそれでいて熱量を感じさせる長い口付け、貴女の魂はこうして人魚に貪られるだろう)
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