執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>アルフレッド
――…、(この倦怠感は、何時もの感覚とは少し違う。そう確信したのは、天へかざした自身の腕が、ひどく華奢に痩せ細っていたから。元々何をするにも億劫な自分でも、貴方との約束を面倒だと感じたことは無かった。否、出会った当初はあったのかもしれない。けれど今、貴方に会いたくて堪らない―その感情の正体は理解出来ずとも、食欲よりも喧しく主張をし続けるその暖かい気持ちだけは確度が高い。だからこそ、結果的に約束をすっぽかした形になってしまっている現状を悔やんでも悔やみきれない。木編みのベッドからもう幾度も立ち上がろうとしたのだが、手足に力が入らないのだ。そういえば最後に食事を摂ったのはいつだっただろうか。思い出せないほど遥か遠くの記憶に深く長い息を吐くと、不意に聞こえてきたノックに反応し、緩慢な所作で其方を見遣り「…なんで、来ちゃうかなあ…」よく通る凛々しい貴方の声、それとは対極の弱々しい声音で呟くように言葉を落とす。表情筋が長らく仕事を放棄していても、自分の中では微笑んだつもり。目に見える変化はないものの、首筋辺りに伸びた蔓からふわりと咲いたパステルイエローの花が、如実に喜びを物語る。ぐぐ、と腕を突っ張って身体を起こそうとするも、途中で力尽きドサリとクッションに身を埋めて「……コラ、危ないでしょ。脚だって、痛むだろうに…。もう、こんな無茶しちゃ駄目だよ」弱った姿を見せてしまう情けなさに、自身の顔を隠すように目の上へ腕を乗せる。そんな状態でも、貴方を慮る気持ちだけは忘れておらず、まずは小言を並べて。次いで腕の隙間から盗み見るように貴方を見つめて「…有難う。会いたかった、アルフレッド」もう一輪、今度は淡い桃色が耳辺りに花開いて)
(/諸々の設定、承知いたしました…!イベントの為に作成して下さったお子様とのことですが、作り込まれた屋台骨に感激しております!ヴィンスの方は、アルフレッドさんに特別な思い自体は抱いているものの、それが愛かどうかは解らないという体でお話をさせて頂きます。此方こそ、短い時間のお相手になってしまうかもしれませんがよろしくお願いいたします…!/蹴推奨)
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