執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>リアンナ
――ホント、困った子なんだから(馬の耳に念仏とはこの事か、と肩を竦める。貴女を大切に想うが故の忠告なのだが、どうやらそれを理解してはくれないらしい。もし、貴女が己に会いに来る道すがら、他の怪物に襲われ命を落とせば―きっと、悔やんでも悔やみきれないだろう。そしてそれは容易に起こり得る未来、脳へ浮かびかけたビジョンを掻き消すように態とらしい咳払いを一つ。「ええそうよ、アタシ一人で充分。可愛いあんたを出来る限り見せびらかしたくないンだから、ブラブラ出歩くのは辞めなさい」指先をピンと伸ばした掌で、自身を指し示すように胸板をトントンと叩いて見せる。冗談とも本気ともつかない理由を付けながら、貴女の安全が第一であるためにお説教を諦める気は無いようで。編み込んだ前髪を、自身の髪と同じ青色の蝶のモチーフがあしらわれたピンで止めて「ハァイ完成。――え…、?」鏡に映る貴女の姿を見つつ、パチパチと小さく拍手をしながら再度誉め言葉を贈ろうとしたが、不意に投げかけられた波紋にぴたりと表情が凍り付き。次いで打ち鳴らしていた手も動きを止め、鏡越しに貴女を呆然と見つめて「……二度と、そんな事言わないで。あんたが他の奴に喰われるのは勿論、アタシが食べるなんて絶対にイヤよ」くるりと背を向け、頑なな拒否を示すように腕を組む。そのまま自身の二の腕をぎゅうと握りつつ、絞り出すような声音は怒りからかわなわなと微かに震えていて)
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