執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>テオ
そんな事……言わないで。一人は……きっと、寂しいよ。たくさん、友達……作って……わたしの分まで、笑って?(先程は嬉しく感じてしまったが、別れが悲しいからと、自分のせいで一人の道を歩む様は頂けない。困ったように眉を下げ、声を振り絞る。本人に寂しいと自覚は無くとも、きっと誰かが側に居るべきだ。自分と関わり、笑顔や感情を知った彼。他者と交流する事でもっと世界が広がるはず。今は別れを惜しんでくれているが、これから先も楽しいと思える事や、友を見つけ 笑っていて欲しい。幸せに、自分の分まで生きて欲しい。涙を拭うようなキスを贈られては、ふふ、と擽ったそうに声を漏らし瞳を綻ばせ。「ありが、とう……ぜったい、みつけてね」力強く、約束を守ってくれると宣言してもらえれば、嬉しさが心の奥へと押し寄せてくる。きっと大丈夫だと、思えてくる。頬に触れる冷たさから、まだ生きていると実感し。体を抱き寄せられたならば、それに答えられる程の力はもう残されておらず、代わりに相手に身を委ねるように胸元に頭を預け寄りかかり。込められた力も、全身の感覚が鈍くなっているからか心地よく感じ穏やかな表情を浮かべ。自分を食べてくれとの願いも聞き届けられては、これで安心して逝けると、肩に入っていた力はすとんと抜け落ち。そのまま向き合うような距離で金の瞳と視線を交わらせ「テオも……きれい。ありがとう、わたし……テオに、会え、て……」今までとは違った感情の入り交じった言葉を受け、これまで見てきた中で一番自然で素敵な笑みを最後に視界に映せたならば、自分も負けじと、此処で暮らしてきた中で与えられた優しさや幸せを示すかのように、精一杯の力で微笑み返そうか。そしてぐっと顔を寄せ、口角の上がったその頬へ、血濡れた唇で触れるだけの親愛のキスを贈り返し。どこか満足そうに、幸せの色を滲ませた笑顔の花を咲かせ。やがて視界は暗闇に閉ざされ、焦点の合っていない栗色の瞳は虚空を映しながら、相手に会えて良かった、と終わりまで言い切る前に体は力尽き、呼吸を止め、17年に渡る生涯に幕を下ろす。肉体を離れた魂は、命の灯火は、ふわりと蝶のように星の輝く夜空へ舞い上がる。死してなお約束を守らんとする強い意思によって突き動かされたソレは羽ばたき、彼の部屋を目指し。件の窓際に到着したならば、淡い光の粒子となり蝶は闇に溶け込むように姿を消え。瞬く間に新たな芽がそこに生まれ、一輪の黒い薔薇となり、蕾を実らせた。彼が自分に気付いてくれたその時、それは笑みを浮かべるように花開く事だろう。再会する時を心待にしながら、もし彼がその後自分を忘れてしまったとしても、変わらぬ思いを胸に魂の宿る薔薇は窓辺に咲き誇り続ける。ずっと、永遠に)
(/此方こそ遅くなってしまい申し訳ありません…!また、素敵なお返事をありがとうございます。文章を読み返す毎に切なさに胸を締め付けられつつ、けれどお互いを思いながらの愛を感じる終わりを迎えられたレベッカは確かに幸せであったと思える最後に感動しております。ありがとうございます。自分の技量不足で綺麗にフィナーレを迎えられたか心配ではあるのですが、テオさんとの捕食エンドも無事迎えられ感謝の気持ちで一杯です。また、余韻からかうまく言葉が出ず申し訳ありません。恋愛ルートでの最後はこうしたいなという想像もまた生まれましたので、本編ではそちらを目指しつつ、交流を深めていきたいなと考えております。改めて主様、お相手下さりありがとうございました…!!)
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