執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>レベッカ
オレ、モウ、――トモダチ、イラナイ。レベッカ、最初デ最後(まさに風前の灯火のような、弱々しい声音で紡がれたどう足掻いても叶わない願い。先の事まで長い目で見て考える、なんて建設的な思考はこの怪物は極端に不得手。けれどそれでも、貴女の笑顔をずっと見ていたいという気持ちは偽りではなく。人と怪物の別れが、貴女という特別な人間との永遠の別離が、こんなに辛いのならば―もう二度と味わいたくはない。苦々しくぽつり呟いたその言葉と共に、わなわなと全身が震えるのはやり所のない怒りや悲しみの所為だろうか。自ら孤独を選択する意思を顕わにすれば、いつでも怪物の事を慮ってくれる優しい貴女を悲しませてしまうかもしれない。けれどもう、こうして特別な獲物が、今わの際に涙を流すのは見たくない。頬を伝おうと目尻に輝く涙の雫、それへ顔を寄せれば淡く吸い取るように触れるだけのキスを。「忘れナイ。約束モ、レベッカモ。オレ、絶対見つけるカラ。ダカラ、安心。綺麗に、咲イテ」網膜に焼き付けよう。死に瀕してもそれに怯えず、凛と輝く貴女の強さと美しさを。額と額をくっつけ、一言一句噛み締める様に伝えよう。貴女が黒き薔薇となり、永劫に屋敷に縛り付けられても、決して独りぼっちにはしないと。そっと貴女の首と背中へ腕を回し、抱き寄せる。傷にあまり障らない程度にするつもりだったが、いつもより軽く感じた貴女の身体がこのまま消えてしまいそうで、思わずぎゅうっと力を込めて。「――…!」抱き締めたまま、貴女の声を聞き漏らさぬようにと可憐な唇へ耳を寄せて静聴する。その内容には思わず目を瞠った。それは、怪物にはあまりに過分な願い。相手から望まれてその身を喰らうことが出来るなんて、何て幸せだろう―その多幸感は言葉に出来ず、何度も大きくゆっくり頷くことで心からの承諾を示す。貴女の身へ回した腕はそのまま、互いの顔が見れる程度に自身の身体を引く。もうすぐ事切れるなんて考えられないほど、誇り高い意志を宿した瞳。数秒それに見惚れてしまえば「……レベッカ、綺麗」口を突いたのは心からの素直な感想。これまで何度も可愛いと思うことはあれど、美しいと思ったのはきっと今回が初めてで。貴女が終わりを迎える前に、こうしてまた一つ、貴女の素敵な魅力を知ることが出来た。無意識に浮かんでいたのは、いつものぎこちない所作からは想像に難い、とても柔和な微笑みで)
(/お越し下さり有難うございます、お返事遅くなってしまい大変申し訳ございません…!お返事を置いておきますので、もしまだおられましたら是非ともフィナーレをお願い致します…!)
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