執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>レベッカ
なんて言うか、マイペース――そう、マイペースだから。振り回されたりしてない、大丈夫?(これ以上微妙な空気を作ってしまうのは拙い、沼に嵌り込み墓穴を掘ってしまいそうだ―まだ目玉があったなら視線をあちこちへ泳がせていたであろう苦し紛れの言葉、蓋しこの場合は救世主か。捕食の件について言及するのは躊躇われ、あまりに彼と符合する単語が去来すれば、しめたとばかりに思わずパチンと柏手を打って。気の赴くままに遊び、眠り、喰らう――彼とはそういう怪物であると自身は理解しているのだが、貴女にとっては如何なのだろうか。「あら、そんなことまで知ってるのね。お出かけもテオと一緒?―そうね、そんな所。今日のお散歩はラッキーだわ、優しいあなたに出会えたもの」うっかり見せてしまった闇の綻び、それを掘り返されなかったことに秘かに安堵の息を吐いて。恐らく只ならぬ気配を察してくれたのだろう、勝手に侵入してきた怪物を嫌悪しないどころか、自分の部屋を休憩所に使わせてくれる貴女の優しさに思いを馳せ、改めて"有難う、レベッカ"と呟こう。何かお礼をしなくちゃ、その内容を考えるため思考の迷路に引っ張られそうになったところを、寸での所で引き止めてくれたのは貴女の問いで「んー、何て言ったらいいんだろう。怪物はね、あなた達人間と比べて少しドライな生き物なの。基本的に群れないし、家族や兄弟っていう感覚もとても希薄。それに準じて、"友達"っていうほど近く深く仲良くならないものなの。遠すぎず近すぎない、少しだけ固さの残る関係…だから"同胞"がぴったりかなって」衣擦れの音や空気の流れから、貴女の様子が手に取るように分かる。視線すらも気配で感知できるほどで、ゆえに見えはしない貴女の瞳はただ感じるだけに留まる。投げられた問いへの答えは難しく、人間と怪物のそもそもの感覚の違いをどう説明したものかと顎を仰け反らせて。頭の中で話すことを整理しつつ、それでも出来るだけ滔々と言葉を紡ごう。分かってもらえただろうか、手持ち無沙汰に自身の髪の先へ指先で触れつつ反応を伺って)
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