執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>ミリアム
(獣の耳も頭から螺子が貫通しているでもない。目を隠すような包帯を除けば、自身同じくらいの背丈の、やせ細った人間の少女のような容姿。しかし彼女もまた、ここの住人なのだろう。声を掛けてから遅れて冷静に現状を脳内が整理するが、相手もまた戸惑っているような思いが声音からも伝わってくればパチパチと瞬きを繰り返し。「ん、と……どうだろ?どれくらい此処で過ごしてるかなんて分かんないけど、外に出歩くのは危ないとか、使い魔君は魔法が使えてすごい!って事はテオから教えて貰ってるし、ジェイドさんみたいな優しい人も居るって知ってるくらいの新人かな」新人か。その問いにはんー、と悩むように唸りつつ右へと首を傾げ。攫われきて此処でどれだけ過ごしてきたのか。正確な日数は分からず、どの範囲までを差すのか。少なくともベテランでは無く、また昨日今日でも無い事を指折り数え、最初に出会った彼の話と、目の前の彼女と雰囲気のどこか似た紳士の名を軽口混じりに披露してみせ。「今にも倒れそうなお姉さんは、そんなに怖くないかな。だから遠慮せず座ってよ。ね?」どこか不安定にも思える立ち姿。しかしいくら華奢でも赤毛の少女のように、奥底にはとうてい人では叶わぬ力を保持しているのもこの身をもって経験済みである。が、彼女の醸し出す空気はやはりどこか疲れが見え隠れしているように思えては、安心させるように向けられた視線を見つめ返し、そう言ってのけ。次いでさぁ、どうぞとばかりに先程の椅子へと着席を勧め。手にしていた本をサイドテーブルに置き、床に足を下ろすようにベットによいしょ、と座り直し「初めまして、だよね。私はレベッカ。あわてん坊なお姉さんの名前は?」おそらく空き部屋だと勘違いして自分の部屋を訪れる事となったのだろう。初対面での間の抜けた行動は、頭をぶつけた彼となかなかに良い勝負である。あの時を思い出してしまえばつい親近感が湧いてしまい、クスクスとからかうように笑ってしまいながら、名の知れぬ相手へと問いかけ)
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