執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>リアンナ
―何か?(弾かれるような制止の声に、思わず目をぱちくりと。次いで肩を掴まれれば、ゆったりとした所作で顎を引き、自身に触れる人間特有の体温に僅かに目を細めて。「少々落ち着きなさい、お嬢さん。俺も立ち去るとは言っていませんよ」すぐに緩やかな弧を描いた唇から、声音だけは人当たりの良い紳士を思わせる言葉を紡ぐ。肩を掴んでいる貴女の手を、取り外すようにそっと身を捩ればするりと摺り抜けるように扉へ一歩距離を詰めて「お構いなく。長居する気は御座いませんので」貴女とのすれ違いざま、身長差から見下ろすような形でふと笑みを作る。部屋へ立ち入ればそこはまだ生活感のない様子で、貴女が正真正銘の新入りであることを饒舌に物語る。もし、自身が貴女にとって初めて遭遇する怪物であるならば、これこそとんだ外れクジだ。相手が自分好みの男性であるならばまだしも、獲物相手にあれやこれやと説明をしてやるほど親切ではない。手近にあった椅子へと腰を下ろせば、顎に手を添えて考えるような仕草を取りつつ「貴女、新入りですね。俺以外に此処の住人に会ったことは?」捕食者が獲物を吟味するような、はたまた値踏みするようなぞっとする冷たさを孕んだ双眸で一瞥を。蓋し口元には柔らかな笑みが張り付いたままで、どうか頷いてくれと内心願いつつ返答を待って)
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