執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>マリーシュカさん
市販品じゃつまらないなって思って。( 心を込めて手作りしてこそ気持ちがこもるというものだろう。そんなに器用でもない己が渡せるものといえばお菓子くらいだ。こうして誰かの為を思って作るのは何も考えずに作るときよりも楽しかった。それが良い結果を生むのなら尚更。獲物の一人でしかない己のことを、彼女が紅茶を通して思い出してくれる。そんなに嬉しいことは他にない。「お菓子に合わせるなら赤いのより桃色の方が合うかなって思って。また薔薇園にも行きたいなぁ」薔薇を見ていると人魚の彼と共に見た咲き誇るそれらの美しさを思い出す。赤、橙、桃、それから水色に白。色とりどりのものが乱れ咲く様子は見ているだけでも満足するほどに綺麗だった。「良かった。マリーシュカさんならきっとそう言ってくれるって思ったんだ!」彼女の為を思って作ったお菓子。それを褒められれば嬉しそうにぱんと手を合わせて。「え?あ、あーん……」彼女の言葉に自分の前のタルトに手を伸ばしかけたところ、彼女の意図することに気付けば頬が僅かに熱を帯びて。しかし断るようなことをするつもりもなく、気恥ずかしさに視線を動かしながらも小さく口を開き一口食べ。美味しいはずのそれは恥ずかしさからかあまり味がわからず、彼女は慣れているのだろうかとちらり反応を窺い。と、そこでようやく味を認識しては上手くできて良かったと嬉しく思って )
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