執事長 2019-05-03 19:58:05 |
通報 |
>ルシアン
――…、アハハ!(扉の向こう側から急速に近付いてくる賑やかな足音に、来るぞ来るぞ、とうずうずしてしまうのは獲物に飛び掛かる前の獣としての習性だろうか。そして念願の御対面、同じ高さの目線に現れると思っていた姿は見えず、代わりに下から聞こえてきた幼さの残る声に思わず瞠目。顎を引くようにして視線を下げれば、そこには思わず笑い声を上げてしまうほど可愛らしい相貌が。「そうよルシアン、あたしはレジーナ。兄貴から聞いたってわけじゃないけど、あんたのこと探してたのよ、あたし」警戒心のまるでない反応も、貴方が思っていたよりずっと幼かったことも予想外だが、こうも毒気を抜かれてしまう爛漫さとエネルギーは、小さくとも確かな太陽をその身に宿していることを何よりも雄弁に物語っていて。ゆらゆら、と揺れていた尻尾は、貴方に歓迎して貰えた喜びからぶんぶんとスピードを増して。有難い誘いに乗る前に、とその場にしゃがみ込む。貴方と目線を合わせては、引っ込められない鋭い爪で傷つけてしまわないよう、慎重に柔らかそうな髪へと手を伸ばして「お邪魔する前に、お礼を言わせて。ジェイドに良くしてくれて、本当にありがとう」心からの感謝の思いを、声でも動作でも伝えたくて、ふわりふわりと貴方の頭を撫でる。それは決して子供扱いしているわけではない、やがてゆったりと立ち上がれば「あんたが喋り疲れても、あたしが楽しければ帰ってあげないから!お邪魔しまーすっ」しんみりとした空気は肌に合わない、人間相手に真摯な礼を伝える経験なんてあまりにもレアすぎて、照れ隠しの如く軽口を叩けばすたすたと部屋へ入ろう)
トピック検索 |