執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>ルシアン
(このところ、従兄の様子が可笑しい。否、奇妙とはいえそれはネガティブな意味ではないのだ。無尽蔵なお人好し気質の最奥に覆い隠された、怪物としての本能。それにこの上ない苦しみを抱く彼は、成長するにつれて人を捕食することを拒むようになった。徐々に痩せ細る体躯を見て、本当に理解に苦しんだ若き日の頃を思い出す。怪物は人を食うのが当然なのだから、それに罪悪感を感じてもしょうがないのに、と。生きる為に避けて通れない食事という道、定期的に向き合わなければならないその地点―それを一々忌避していては、生きる事すら辛いだろう。誰かの前では明朗に笑っていても、至極久方振りの食事を摂った彼が、黒薔薇の屋敷に響き渡る慟哭に咽ぶのを、もう見てはいられない。しかしそんな救いのない世界においても、彼が心から安寧の表情を見せることが最近多くなったのだ。その原因を探りに探り、漸く辿り着いたのが貴方の存在。コンコンコン、好奇心を滲ませるような軽快なノックの後「ねえ、ルシアン。あたしジェイドの従妹なんだ、ちょっとだけ話聞かせてよ」口角ににんまりと笑みを浮かべながら、扉の向こうから現れる貴方の姿に思いを馳せる。どんな人間だろう、どんな性格だろう、想像する内に募るわくわくから無意識の内に尻尾はふりふりと揺れて)
(/承知いたしました、早速レジーナにてお迎えに上がりました…!ジェイドと比べれば割とずけずけ素直に物を言う怪物ですので、是非詰問の良い機会とお使いくださいませ…!)
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