執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>シャルロット
(怖いのかと問われれば勿論怖い。その正常性を持ちつつ蹂躙されたいと切に願う異常な願望もまた確かで、自身の願望を紐解けば抵抗空しく尊厳を奪われたいのだからこちらの問いかけに対して意味が分からないと歪に首を傾げる相手はまさに理想の怪物。皮膚の薄そうなその細腕のどこにどう筋力が集まっているのか、突然の引っ張られる感覚とその後の力ががくっと抜ける感覚に一瞬腕が抜けたとさえ思えたが幸いにも千切れたのはシャツの袖だけ。反動で後ろによろけこそしたが咄嗟に踏ん張りをみせれば転ぶまでには至らず、決して広がったわけでもない相手との距離、放り捨てられたチェック柄の残骸は肉を食まれたあとの自分の腕に違いないとさえ思え。「うっ……」掴まれた左の手首、相手の小さな手の下には心電図のタトゥーがあり、その脈拍以上に早く波打つ心臓が、死を目の前にすればいっそジョークのようで唸り声とは場違いに口角が上がる。振りほどこうにもギリギリと締めつけるような力は骨だった簡単に折ってしまうのだ、やめてともお願いとも動きそうになるが気付けば掴まれているのとは反対の手が首筋の歯型に触れていて、「そうだね、きっと腹ペコなんだ……先客が寂しがり屋じゃなきゃ、食い散らかして、良かったんだけど」馬鹿馬鹿しい事を言っていると自覚しながら、傍から見れば血迷っているだろう、相手が食らいつく前にずいっと右手を差し出し「左利きなんだ。こっちからお食べ」空腹を満たすしか理性が保てないなら捨て身しかない)
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