執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>シャルロット
…………(ビク、と肩を震わせて足を止めたところで最早手遅れの距離、空気を含んだようなふわりと広がる黒いドレスと長く繊細な赤毛の少女の足取りは記憶にあるホラー映画を彷彿とさせる不穏さを持ち、怪力と飾りではなく確実に突き刺さっている螺子から推測すれば相手はフランケンシュタインの怪物といったところ。ざわつく心臓と脳みそはそれぞれに欲望と恐怖が支配し、臆した意識が一歩後退したがそっと握られた布一枚で足が動かなくなり、向けられた言葉はあまりに飾り気がなくだからこそ“だからここにきた”のだと主張していて、「あ──っ、あ……」言葉を発しようにも恐怖で渇いた喉は一瞬ひりついただけ。相手が人間であればこの20センチはある体格差、旋毛を見下ろして蹴りの一発でも出来ればどうにかなるだろうがそんな考えが現実逃避なのは承知しており「ど……どのくらい……?」自覚したところでやめられない逃避と、あるかもしれない回避を求める脳みそは空腹の具合を尋ねていて)
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