執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>レベッカ
――なァニ?(口許だけに浮かんだ笑み、けれど病んだ瞳は決して笑っていない。自分の好き嫌いの定義なんてはっきり自覚していない、だからこそ投げられた問いには同じく疑問符を投げ返して。痛みに歪んでいく顔、耐えようと奮闘する身体の反応、全てが愛おしく思えるのは捕食者としての歪な強さゆえか。そして丁寧に並べられる言葉に耳を傾ければ、口に漂っていた笑みは見る見るうちに掻き消え、小振りな唇は真一文字に引き結ばれる。「…ドウシテ、そんなコト、言うノ」貴女はきちんと理由を説明してくれていた、けれど要領の少ない頭には"嫌い"の二文字がぐわんぐわんと木霊していて。ギリギリ、と拳を握り締めればそれに伴って押し潰されそうなほど圧迫されるであろう、繋いだままの貴女の手。何で、どうして、好きって言ったのに――幼稚な疑問を再度ぶつけるべく貴女の顔を見上げれば、そこでかち合った複雑な視線にぴたりと全身の動きが制止する。嫌いになるのが嫌、そう言ったのだろうか。理解が追い付かないが、貴女の瞳から伝わる何かに、自身の中にある熱情がしゅるしゅると音を立てて風船のように萎んでいく。それに伴ってするりと繋いでいた手を解放すれば「優しく、シテル。だって、シャルがアナタを守ってあげてるノ」ぽつん、どこか遠くで雫が一滴垂れるようなか細い声。フリルがふんだんにあしらわれたスカートの裾をぎゅうと握り締め、俯いたまま微かに震える姿は、悲しみに打ちひしがれるようにも、思い通りに運ばない怒りに打ち震えているようにも見えて。人喰い薔薇の真偽を明らかにしないのは、故意なのか否か。それでも茨が人を食べるのは紛れもない事実であるし、青ざめた貴女の表情を見れば薔薇を折らないという忠告効果は絶大だったようで「イイ子ネ、レベッカ」またしても頭上に降り注いだ柔らかな体温、それに心地良さげに目を細めれば、お返しとばかりに背伸びをして貴女の髪をそっと撫でよう。撫でている内に掌に触れる貴女の髪の感触が気に入ったのか、それを愛でるゆったりとした手の動きは止めないまま「――魂、ナノ」当たらずとも遠からず、そんな回答に耳を傾けながら、くるりと振り返る。貴女に対面する形となり、夜闇の中でも煌々と輝く黄緑の双眸が底光りして「アナタの、未来の姿」不親切なまでに短い言葉で紡がれた解、けれどもその内容は闇に満ち、黒く重く貴女に圧し掛かるだろうか)
(/今晩わ、ご来館有難うございます!レベッカちゃんとお話したいと常々思っておりますので、お邪魔だなんてとんでもございません…!今後作業をしながらのお相手となりますので通常より遅筆となってしまいそうなのですが、それでもよろしければ是非是非お話させてくださいませ…!)
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