執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>ジヴァ
―…!(背後から届いた声はあまりに儚げで、幻聴かと思ったほど。だがそれが夢でも現でも、逃げる様にこの部屋を去ろうとしていた足を止めるには十分で。前へかけていた重心を後ろへ引き戻しつつ振り返れば、そこには少女の姿。ベッドという形からはみ出ている華奢で白い足がなんだかやけに不気味に思えて僅かに眉根を寄せ「…なら、すぐに応えてくれれば良かったのに」面と向かって不平を零しつつ、後ろ手に扉を閉めよう。起きていたのであればもう少し問答してからでも此処を去るには遅くない。にしても取り乱した様子が一切ない貴女を怪訝そうに見つめて「君、本当に新入り?」本人に問い掛けても何のことやら分からないだろうに、そんなことは気にせず懐疑の視線を注ぐ。鎖骨の花の隣には、暗い色合いの深緑の花がふうわりと咲いて。新入りであるとするならば心神喪失の類だろうか、或いは使い魔の伝達ミスか。何方であっても自分にとって面倒なことに変わりはなく、手近にあったロッキングチェアに腰掛けては深く息を吐いて)
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