執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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>レベッカ
テオに、似テル――よく言われるノ。アナタ、テオと仲良しナノ?テオの事好キ?(名を告げた途端、貴女の声音が明るくなったことで緊張の糸がするすると解けるような感覚を覚え、不気味に傾けていた首を元の位置へと戻す。開いた扉の向こう、初めて目にする貴女を興味深そうにじぃっと見つめる瞳に光はなく、どこか病んだような陰りを帯びていて。かの大きな怪物と似ている、とは他の怪物にも言われ慣れていること。容姿は似ても似つかないが、思考回路が類似しているのは作者が同じ故か。自身が此処を訪れたことに述べられた感謝も、扉をすぐに開けられなかったことへの謝罪も馬耳東風、自分が訊きたいと思ったことをすらすらと並べ立てては、自身より幾分か背の高い貴女を見上げるように見詰めよう。「…お姫様?なぁにソレ、私知らナイ。教えて頂戴」突然の賛辞の雨には鳩が豆鉄砲を食ったように生気のない瞳をぱちくりと瞠って。自身は怪物、人間を前にして恐れられたり醜いと罵られることはあれど、この様に見てくれを褒められることなんて極めて稀な経験で。だからこそどう反応すればいいのか分からずキョトンとしていたのだが、ふと耳に入った未知のワードに反応すれば、貪欲に知識を求める子供の様に、貴女の赤いシャツの裾を引っ張って。「アナタのお部屋、駄目ナノ?なら――、…私の好きな場所ガあるノ。そこに行きまショウ」てっきり部屋に招かれたと思っていたために、期待を裏切られたと言わんばかりにしゅんと目を伏せて。貴女の部屋が駄目ならば自分の部屋に、という考えが頭を過ぎったものの、入室を許すのは本当に気に入った獲物だけという拘りを思い出す。庭園、という貴女の提案に引っ張られて瞼を上げれば、自身の大好きな黒薔薇が咲き誇るローズガーデンの存在へと思い至る。行き先を告げないことが貴女を不安にさせてしまうだなんて、そこまではどうしても思い至れず、先程掴んだままだったシャツをくいくいと急かすように引っ張って)
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