三丁目のミケネコさん 2019-04-29 19:44:39 |
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おいおいマスター……っいってぇ!
(流石にまだ年端もいかぬ少女、ましてやサーヴァントでも魔術師でもない一般人には恐ろしい脅し文句だっただろうか。少々罪悪感に苛まれつつ、冗談で片付けようと口を開けば叩かれる音が響き渡った。大袈裟に悲鳴を上げるも、本気で痛がった素振りはない。うへぇ、などと言いながら叩かれた箇所に息を吹きかけるも赤くなってすらいないだろう。そして相手の提案に無言で頷き、一歩後ろの距離を置きながら同じく歩を進め始める。「ダヴィンチの姉ちゃん曰く余り大きい訳じゃねぇらしいけどよ」廊下に響き渡る静寂と沈黙に耐えかね、ぽつりと溢れ出した話題はこのカルデアという組織の中核を担う一人の少女の話で。自分が来る前は大人の姿だった、という信じ難い真実を持つ彼女の話をぼんやりと思い出しながら一つの扉の前でアシを止める。何度かマスターの部屋に来た事はあるが、この扉の前ではいつも心臓が緊張感を張り巡らすかの如く締まるような感覚に襲われるのだ。勿論そんな感情を検知する機能は扉には無く、音を立てて一人でに鉄の扉は開かれて。)
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