茉莉 2019-04-20 15:05:15 |
通報 |
嫌な思い…まァ、それなりに。そんな風に言ってくれる奴の方が案外少なくてな。アンタがそう言ってくれて正直、ホッとしてる。
(数度、態とらしく瞬きをする。暫く鏡を見ておらず、自分のあの不可思議な色をした瞳が未だ健在である事を知るのは実に久しぶりだった。その色のせいで嫌な思いをしなかったと言えばそれは嘘になる。かつてこの瞳を指して浴びた言葉の数々が瞬間的に蘇り、思わず眉を顰める。しかしそれもほんの一瞬のこと。瞳を綺麗だと言う相手に、純粋に嬉しい気持ちと、安堵したような表情を滲ませ。何やら左手にペンで書き込んでいくのを見届ければ、差し出された手の文字を確認して「そう。正解」と短く返し大きく一つ頷く。そして眼前に現れた真っ黒な液晶画面。急に電源が落ちたというその画面を眺めるなかで、そこに自分の顔が若干反射して見えた。かなり久しぶりに見た自分の姿。想像以上の窶れに内心驚きはするもののその感情を表には出さず)
へェ…、そのスマホ壊れてんじゃねェのか?アンタを此処に連れて来たのもソイツなんだろ。壊れてなきゃこんな場所来れねェって。
トピック検索 |