退屈なんだけど？ ／ 無登録

いいよいいよ正直に言ってくれて。俺も此処は汚ェなって思うし。
…─名前ね。俺は茉莉…これは本名じゃァねェけどな。てか俺が目的地とはなかなか運命感じるわ。ヨロシク。

(幾分か最初よりも緊張は解れただろうか。更に距離を詰めていく様子を見て微笑むような緩い笑みを浮かべる。下手をしたら折角来てくれた話し相手を逃がしてしまう事になるし、そうなればまた長い時間独りになってしまうかもしれない。それだけはさせまいと彼から決して視線を逸らさない。座り込んだかと思えば埃を払うのを確認すると率直に意見を言おうとした彼に軽く吹き出しつつ「そこにあるパイプ椅子にでも腰掛ければ良い。少なくとも埃は被ってないぞ」なんて顎を使って指し示して。名前を問われれば少しだけ息をついて、偽りの名前を口にする。出会ってまだ数分と経たない相手に、自分の本名を名乗る事はしない。まだ本名を名乗れる時ではない。ナビの案内で辿り着いたと知ると、くすくすと心底楽しげに笑ってみせ)