Now saving... 2019-04-17 23:32:24 |
通報 |
「おーい!ユガー!」
集会浴場に入ると、奥のカウンターから声をかけられた。声のした方向を向くと、桃色の制服に身を纏った受付嬢が手を振っていた。
自分に受付嬢の知り合いはいなかった筈だと相手の顔を確認すると、それは自分のよく知る人物だった。
「カレハ!」
思わず駆け寄り、カウンターに手をつく。
「カレハ、久しぶりだな」
「久しぶり、じゃないよ。5年も会えなくて寂しかったんだよ?」
昔、自分は商人をやっている父親の荷車に乗ってユクモ村へ遊びに来ていた。その時に良く遊んでいたのがカレハだ。自分の父親がカレハの父親と仲が良く、家に泊まらせて貰う事もあり、とても仲が良かった。
「にしても、大きくなったよなぁお前も。昔はあんなにちっちゃかったのにな」
「そりゃあ変わるよ。誰かさんが突然遊びに来なくなってから5年も経ってるんだから」
「悪かったよ。ハンターになりたくて、勉強とか鍛錬とかしてたんだ」
5年前、とあることをきっかけにハンターを志すようになった。そのために様々な知識を身につけ、体を鍛える事を始めたことを境にユクモ村へも行かなくなっていった。
「それは分かるけどさ、私に何も言わないんだもん…」
「悪かった悪かった。でもそれより俺は、カレハが受付嬢になった事の方が驚きだぞ?」
まだ文句を言いたそうなカレハに対し、いたずらっぽく言ってみると、案の定「う」と言葉を詰まらせ、
「こ、これは…ユガがハンターになるって言うから、私も何か手伝え無いかなって思って…」
と口ごもりがちに言う。
トピック検索 |